『NO Boundly 〜小さな背伸び〜』
「くそっ!!」 「隙だらけだっ…ランディ!!」 「わっ…」 右のわき腹を鞘に入ったままの剣で突かれた。 そのままバランスを崩し、勢いもあって地面に倒れこんでしまい尻餅をつく。 急いで立ち上がり、少し離れた所に飛ばしてしまった剣に手を伸ばす。 「っっ…!!」 急いで身構え、剣を相手に向けて突き出す。 鋭い剣先は相手を確実に捕らえていた…しかし、スルリとかわされてしまい、綺麗な赤い髪の毛の横を掠める。 「…わわっ…」 「フィニッシュだっ!!」 剣を叩き落とされ、頭を掴まれ腕を拘束された状態でそのまま地面に押し付けられた。 回りで見ていた女性達からクスクスと笑う声が耳に響いてくる。 見物している人達に愛想を振り撒くように手をかざしているこの人の下で、俺はジタバタともがいていた。 「っ…いい加減、離してくれませんか?」 「おっと、すまない…」 俺の腕が自由になり、掴まれていたところがジンジンと痛む。 残る痛みを擦りながら、さっきまで離れていた所で見ていた女性達が僕のいたる所についている土を払ってくれるのを見ていた。 少し恥ずかしくて、顔に熱を感じる。 「ははっ…まだまだだな…坊や」 「………オスカー様…」 俺に剣の稽古をつけてくれていたオスカー様にそう言われ、また胸の奥で針を刺された気分になった。 ここの所、ずっとそうだった… いつになったら俺の事を同じ大人として扱ってくれるのか。 ただの背伸びだって事は分かってるけど、でもこの思いは真実だと思ったから。 オスカー様を越えたい…俺の中での小さな目標だった。 「僕は…坊やじゃないです…」 消え入りそうな声で抗議した。 「んっ…何か言ったか…?」 「いいえ…」 オスカー様が周りにいる女性達にもう終わりだから帰るように促すと、目を輝かせながら全員が散り散りに帰っていった。 ……こんなのが大人? 違う…オスカー様みたいな大人にはなりたくないんだ。 女の人にデレデレ(?)して、キャーキャー言ってもらうのが大人なんかじゃない。 俺が目指している大人は、もっとこう…良く分からないけど、今のオスカー様みたいな大人でない事は確かだと思う。 オスカー様に自分は立派な大人だと認めてもらいたいんだ。 オスカー様に自分と言う存在を肯定してもらいたい… 「オスカー様…」 「どうした、…ランディ?」 「……悔しいん…です…」 「ん?」 小さな声で言葉を放つ俺に、よく聞こえないと言わんばかりに顔を覗きこむオスカー様。 その真っ直ぐな瞳を直視することが出来ずに、自然と目線が下へと落ちる。 下を向く事によって、オスカー様には敵わない事を自分で悟ってしまった。 「…良く聞こえないんだが…」 「俺…俺、悔しいんです…」 「………ランディ…」 指先が白くなる程に拳を握り、ワナワナと震える肩を抑えられないでいた。 「ランディ…あのな…」 「いつまで経ってもオスカー様に追いつけない…追いつけないどころか…姿さえ見えない………それが、悔しいんです…」 感情のまましゃべってしまった事に後悔しながらもオスカー様の反応は優しいものであって、俺の肩にそっと手を乗せてきた。 「ランディ…俺になんか追いつかなくても……」 「違うんですっ…」 「……」 「そう、追いつきたいんじゃない…追い越したいんです!!」 オスカー様は、俺の発言に度肝を抜かれたように目を丸くした。 そしてすぐに気持ちを切り替えて、笑い飛ばしてくる。 「ははっ、面白い事を言うじゃないか…坊やのくせに…」 「俺は、坊やじゃないっっ!!」 笑っているオスカー様を見て、俺の中の何かが切れた。 オスカー様の胸ぐらを掴んで、自分の方へと引き寄せる。 「オスカー様を越えたいっっ…オスカー様に…俺の事を同じ大人として見て欲しい」 「お、おいっ…」 「…オスカー様が……オスカー様の事が……好きなんですっっ!!」 俺の目じりには悔しさの証が流れていた。 こんな事言っても、何も変わらないのに。 段々冷静になってきたのか、オスカー様にかけた手をゆっくりと離す。 「す、すみません…」 「……ランディ」 オスカー様はいつになく真剣な目を俺に向けてきた。 「変わろうとしなくても、俺はお前の存在を認めているさ…」 「オスカー様…」 「ランディはランディのままでいいんだ…無理に急に変わる必要はない…」 オスカー様の言葉の一つ一つが、俺の心に響いてくる。 その優しさが嬉しかった。 そう、これだ…俺が目指している大人は…………オスカー様の真剣な時、この瞬間を見るのが俺は大好きだ。 こんな余裕のある大人になりたい。 この人を守れる位の、立派な大人に。 「ゆっくりいけば良いんだ…」 「オスカー様……俺…」 「お前の気持ちには気づいていたさ………」 そう言ってオスカー様は俺の前髪を掻き上げ額に口付けをしてくれた。 やっぱりこの人には敵わないと心底思う。 「いつか、俺のものにしてみせます…」 「っくく……楽しみにしてるぜ…」 Fin (オマケ) 「んっ…ふっ…」 オスカー様の部屋には俺とオスカー様の二人。 聞こえてくるのは、冷えた空気の揺れる音と淫らな音…二人の息遣いだけ。 俺はオスカー様の硬くなったモノを口に含んで、解放までの道筋を作っていた。 「ぁ…んむっ………っ…」 「結構…筋は、良いかもな…」 「んっ……、はっ…」 オスカー様のを口内に感じながら、自分の熱に我慢が出来なくなっていた。 余裕のなくなった俺は、自分の手を下肢の方へと移動させる。 「おいっ……俺を越えたいんだろ…?」 「んっ…、はっ…でも…俺…」 「ダメだ……それでは俺を越えられないな…」 オスカー様を越えたい…その気持ちは自分に小さな理性を取り戻させた。 下に伸ばしかけた手をオスカー様のモノに添える。 吸い付くのと同時に手で上下に扱き上げると、オスカー様の息が詰まるのを肌で感じた。 「くっ……っ」 「んっ…ぅ…っ……んんっ…」 「はっ……っっっ」 オスカー様は俺の中に全てを吐き出してくれた。 一滴もこぼさないようにして飲み込むと、オスカー様は俺の髪の毛に指を絡ませて、クシャクシャと撫で回す。 「はぁ……なかなか良かったぜ…」 「っ…っ…オスカー様…///」
ランディの日記より… |
あの日ランディから告白されたときはまさかこんな日がくるとは思わなかったが… さすが努力家ランディ、アイツも成長したんだな…フッ。 明日あたりご褒美にそろそろ… いかんな。最近アイツに甘い気がするぜ…オレとしたことが! まあ、明日のランディの出来次第だな。フッ 9月25日(金の曜日)〜晴れ〜 |
オチました…申し訳ないです。
裕さんからのラブコール(電話)で、賢雄の吐息の話が出た後…
一気にこの小説を書き上げました(バカ)
もぉ〜仕事中に賢雄の吐息はこうなんじゃないかあぁ〜なんじゃないか…
死ぬかと思った。
おかげで小説も出来ましたvvv
こんなんで良ければもらってやって下さいv
個人的には…ランオスって難しいと思った。
あっ、でもコレオスランっぽいランオスになってしまったような…
まぁ、許して下さい(ヘゴッ)
22219Hitの報告ありがとうございました(笑)
from ryugi aone