Kiss in the Dark


『Kiss in the Dark』







 夜。
 まだ朝には遠く、闇と静寂が辺りを満たす、そんな時間帯。

「ん……」
 オスカーは不意に目を覚ました。
 隣を見れば、寝乱れたシーツの波間、自分を抱きかかえて眠る恋人。
 カーテンのほんの僅かな間から漏れる一筋の光が、その寝顔を照らしていた。
 本来なら締め切っていたはずなのだが、どうやら僅かに隙間が合ったらしい。
「…アリオス…」
 夢現のまま恋人の名を呟き、ついで、半ば無意識的にその髪に手を伸ばした。
 そっと指に絡めればするりと落ちてしまうその独特の感触を、しばし楽しむ。
 そのまま、そうっと寝顔を覗き込んでいると、恋人が僅かに身じろぎをして、オスカーを引き寄せた。
「アリオス…」
 起こしたか、と思いながら恋人の名前を呼ぶ。
 けれど反応は無く、かすかな寝息が聞こえるだけだった。
 人の気配に聡く眠りも浅いアリオスは、たまにオスカーが先に起きてもそれに気付いて起きてしまうことが多いのに。

―――それだけ疲れてるんだろうな……
 自分を引きつけて止まない黄金と翡翠の瞳は閉じられ、穏やかな寝顔には疲れなどかすかにも見えないけれど。
 ここ一ヶ月ほど、こいつが任務のために東奔西走していたのは知っているから。

「…アリオス」
 もう一度、その名を呼び、完全に寝入っている事を確認してから、オスカーは己の唇をアリオスのそれに重ねた。
 
身の内から湧き上がってくる、どうしようもない愛おしさを感じながら―――。


END.







from 明夜sama



キリリクがきっかけで親密度を高めていった(笑)お嬢ちゃん、明夜さんから頂きましたっv
こんなしょっぱい聖地に何度も通って頂いて……ありがたさと申し訳なさに涙で前が見えません!
そしていつもあたたかきお言葉ばかりのラブ通ありがとうございますっvv
夜のカクテルからイメージされたってことなのですが、まさに!
そんな色気ともの寂しさがただよう素敵な作品をありがとうございましたっv
オスカ−ちゃんがめったに見せないアリオス好き好き光線に胸キュンvでした…!!
ダーリンの寝ているスキに乙女るオスカ−さんがたまりません…!
明夜さん!絶対文書けますって!(><)是非またっ書いてやって下さいvv
愛のサクリア、ありがとうございました〜vv
from yutaka








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