Catch a cold

〜愛はオスカーを救う〜




それはうららかな日の曜日…。
ここ聖地で炎の守護聖オスカー様は、
ベットから起き上がれなかった…

………ダルイ。何なんだこのだるさは…

「…フッついに疲れが出た…か?」
ふいに言葉が出てくる。
ここはオスカーの私室で、もちろんオスカー1人である。
とにかくここんとこ激務が続いていた。
辺境の惑星の視察に報告書の作成、王立派遣軍の指揮業務…
そしてジュリアス様のお相手。
(オイオイ、これは趣味じゃねーのか?オッサン!!)

確かに激務続きで忙しかった。だから…だからこそ…!
「…待ちに待った日の曜日だというのに!
久しぶりに美しいレディ達と優雅にランチでも…と考えてたのに! 何処にもいけそうもないな…フッ」
オスカーは自嘲気味な笑みを浮かべ何やらブツブツ言い出した。
(あ〜身体が病んでると心まで病み出すといいますしねえ〜…)

するとどっからともなく非常に聞き覚えのある声が聴こえてきた…

「たまの休みを待ち望む企業戦士と化した何処ぞのリーマンかよ… シケタ面だな、オスカー!」

ああ…頭がイタイ…

「ほんとにお前はいつも突然だな!もう驚く気もないが。」
そう、コイツはいつも突然ふって湧いてくる。
魔導がまだご健在らしい。
「最初はいちいち驚いてカワイー反応してくれてたのにな、ククッ。 まあこれでもアンタの前に現れるの我慢してたんだぜ〜」

何だか鼻の通りが悪いのか息苦くなってきたぜ…
しかしノドがかわいたな…何か飲むモノ…
と思ってアリオスに向かって訴えようとアリオスを見た。


その姿にアリオスは…<時おり入るツッコミは赤毛の人でしょう…>
『なんっだこの無自覚誘い受男ー!!!!』
潤んだそのアイスブルーの瞳、(風邪ひけば涙ぐんだりするだろう!)
少し赤みがかった顔色、(熱があれば当たり前だ)
そしてちょっともの苦しい表情!(だから息苦しいんだって)
何かものほしそうに唇が薄く開く

「なあ…、み…っん!?んんっ!!!」
なあ、の続き(水もってきてくれよ)は発せられることなく終わってしまった。
すばやく口付けられ、スキをみて入ってきた舌におもいっきり翻弄されてしまう。

今日は割と元気なアリオスだったが更に違うトコロも元気になってきたようだ。


アリオスの舌技にクラクラしつつ咽がかわいて水分がほしかったオスカーは、 先程のディープキスで生じた水分を飲みこんだ。
ゴクン。ようやく唇が解放され、荒くなってしまった息を整えアリオスを睨みつける。

(クッソ〜人が動けないのをいいことに〜〜〜!)
ベッドの上からのしかかられ、唇がふれるか触れないかギリギリラインで話しはじめた。
ニヤリ、とヤツ独特の笑みをうかべながらちょっと低めの声で…
「なあ、朝からそんな顔してオレを誘ってるのか?」

コイツ…わかっててやってやがるな
「オレは具合が…悪いんだ!今日は大人しくさせてくれ!」
「やっと本音を言ったな。ったくギリギリまで我慢すんのやめろよなー。
自分で思ってる程強くはなかったりするもんだぜ?」
「…………」
(ああ…せっかく悟られないよう振舞ってたのに…努力が水の泡だぜ)
プライドの高いオスカーは他人に弱味を見せるのを良しとしない。
たとえそれが恋仲であろうとも。
「なんだ大人しいじゃねーか、…よし!今日はこのアリオス様がお前の看病してやるよ♪
治療代の前金はさっきいただいたし♪(ニヤリ)」
「遠慮しておく…てかお前がマトモに看病してくれるとは思えん」
「ハッひっで〜!お前がホントに辛えときは、さすがのオレもお前優先。
何だか…お前が元気ねえとオレもつまんねえんだよ!」
「アリオス…」
「で、とりあえず何か必要なもんあるか?」
「咽がかわいてる…何か飲み物がほしい…かな」
「ん、了解、ついでに何かフルーツかなんかもってきてやるよ」

やけに今日は優しいな…アイツも人の子だったんだな(ちょっとホロリとくるオスカーであった)
何か意外と愛されてる?オレ…

おざなりにではあるが、とりあえずヤツなりに看病はしてくれている…
傍らでフテクされつつもリンゴをむいてくれてるアリオスに向かって、
男にやるにはもったいないがアリオスなので許そう。
オレの極上の微笑みつきで言ってやった。
「フッありがとな、アリオス……」

ごつっ…リンゴが落ちる。
熱のためか幼さ3割増しな無防備な笑顔を向けられ、
せっかく通常レベルになったアリオスがまた元気になりかけた。

『あ〜もう今日のお前素直でかわいいっvv』
耐えきれなくなったアリオスはギュウ〜〜ッと上からオスカーを抱きしめだした。
そして噛み付くようなキスをした。

「…っ、ん…ふう…っアリオス!……うつるぞ…?」
「かまいやしねーよ!これでもお前の身体のこと考えてキスだけで我慢してやってんだ。
とっとと風邪治せよ!」

「すまんな、アリオス…」
はにかんだ微笑みをうかべながらオスカーは言う。
「いつもの気丈なアンタも好みだが、やけに素直な可愛いアンタが拝めたしな…ククッ
まあ今日はゆっくり休めよ、オスカー」
「ああ、そうさせてもらう…」
オスカーはゆっくり目を閉じた…。
今の台詞にカンに触る点は多々あるのだが、今は反論する元気はない。
まあめずらしく人のために動くアリオスが見られたし、意外と自分は愛されてることも確認できたし、
たまには風邪をひいてみるのもいいかもな…フッ
と、遠のいて逝く意識のなか思ったのだった…


翌日。
かいがいしくアリオスが看病したおかげか、オスカーはすっかり元気になった。
もともと体力はある方だし、疲れがひきおこした風邪だったから1日ゆっくり休んで
体調はだいぶヨクなったらしい。

「ようオスカー、お目覚めか?」
「ん…」
「どうだ具合は」
「ああ…おかげ様でな愛の特効薬がきいか?フッ」
「ハッすっかりよくなったみたいだな」
「さって…このオレがお前のために!かいがいしく世話してやったんだ。感謝してもらわねーとなあ〜?
今夜はナニしてもらうかな〜♪
お前が激務だなんだってここしばらく会ってねえ上お前がぶっ倒れた分!たまってんだぜ〜オレは!!」
どこかギラついた金と翠のオッド・アイがせまってきた。
「お、おい…いくらなんでも、病み上がりなんだぞオレはっ!」
「それにお前日の曜日は公園でお嬢ちゃん達とデエトvとか思ってやがっただろ…!」
「ギク…」
「あーもう決定ー!!今夜はオールナイトだ…(ニヤッ)」
「愉しみだなあっククッじゃな、またあとで♪」
片手を上げヒラつかせて去ってゆく銀髪をオスカーは呆然と見つめていた…

つっ次の日の執務はどうするんだ〜〜!!
オレはお前とちがってそう簡単に休める職務じゃないんだぜっ!!!


♪夜をはじめよう、all night,all right!♪のイントロが聴こえた気がした…

アリオスなんかに惚れちまった己の不運を呪え…オスカー!!(笑)

Fin








はい!!すみません!駄文もいいトコですね…一応小説初挑戦!な感じなんですが…
陽炎サマのリクエスト『アリ×オス看病モノで甘々v』はクリアできましたでしょうか?
とりあえず元気人アリ×風邪っぴきオスで育成してみました〜(^^:
そして甘々といふよりバカップル…
お互いに素直じゃないんで衝突ばかりなんですが
『でも、惚れちゃってるんだよな〜コイツに!』
なアリオスカーが少しでも伝わって頂けてたらうれしいですv

*このお話の中に何人か守護聖サマが隠れてますわかった人はbbsまで!(笑)
管理人が描く駄文には時おり通りがかりの守護聖サマが一言つっこみを残していくときがあります。






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